貼り込み【はりこみ】

書籍は通常16頁単位で印刷し、折り機でページ順になるように折る(折ったものを「折丁」という)。その後、折丁を1折、2折というように順番に重ねていって(「丁合」という)、1冊分にまとまったものを表紙でくるみ、本の完成となる。

本文を16頁で割っていって、余る分は8頁、もしくは4頁、2頁で印刷を行うが、自動で丁合をとれるのは4頁までなので、2頁のペラは事前に16頁の折丁の最後のページに貼り込んでおき、丁合をとることになる。

2頁のペラは、以前であれば最後の折からひとつ前の折の最終ページに貼り込むことがよしとされた。というのも最後の折に貼り込むと、製本後にこのペラがはがれやすいという理由からだ。近年では製本技術や糊の品質が向上しており、気にせずに最後の折に貼りこんでしまって構わない。

2頁のペラを最後からひとつ前の折に貼り込むというのは別の理由もある。奥付ページをペラにすると、再版の際に発行日等を修正したフィルムを毎度毎度、多面付けして刷版を作らなければならない。そうすると非常に手間なので、奥付は16頁折の中に入れてしまい、そのかわり本文ページを2ページ分ペラ扱いにして8面付けフィルムなどを作ってしまい、刷版の作成を容易にしようとするわけだ。ただしこれについても現在はCTPによる面付けがほとんどなので、あまり意味をなさなくなってきている。

貼り込みの注意事項としては、折の最初のページ、もしくは最後のページにしか貼り込むことができないということだ。パンフレットなどで読者アンケートハガキを本文に貼り込むことがあるが、折の最初、もしくは最後にしか貼り込めないので注意が必要。また、貼り込み部分には、必ず10mm程度(ものによってもっと狭くしてもオッケー)の「のりしろ」を設ける。貼り込み部分に印刷がされていると、インキのせいでのりがはがれやすくなるため。