■OPニス
印刷しない白い部分が多い印刷物で、ベタの印刷がある場合は、絵柄を印刷した上から印刷面を保護するために「OP(Over Print)ニス」を印刷することがある。OPニスはオフセット印刷機のインキ壷に入れて通常のインキと同様に印刷をすることができる。
企業のCI入り封筒などで、平滑性の低いマットコート紙や晒クラフト紙などを使う場合、製袋加工時にベタ面がこすれて白い部分につきやすい。企業の封筒では汚れが目立つと印象を悪くするので、事前にOPニスで印刷面を保護して耐摩性を高めておく。
OPニスには、光沢タイプとつや消しタイプがある。マットコート紙など、表面がつや消しの用紙に光沢ニスをスポットで印刷することで、絵柄が浮き上がってみえるようなデザイン上の要素を付け加えることもできる。反対に、キャストコートなどの表面が鏡状の用紙にマットニスをスポットで印刷すれば、角度によって絵柄が浮き上がって見える。
OPニスは、通常の印刷機で印刷できるので安価。ただし、時間が経つにつれて黄変していく。皮膜層は非常に薄く、PP貼りやプレスコートのような保護力は期待できない。
■剥離(セパレート)ニス
4枚1セットとなる複写伝票などの印刷では、伝票の1枚目の小口(糊付け部)に帯状の「剥離ニス」を印刷する。剥離ニスは、糊がはがれやすい成分を含んでいる。糊付け加工をまとめて行った後、剥離ニス部分で4枚ごとに容易にはがすことができ、剥離ニスを印刷しない場合にくらべてきれいに仕上げることができる。
■水性ニス・UVニス
水性ニス、UVニスとも、OPニスのように印刷機のインキ壷に入れて印刷するのではなく、印刷機の最終部分についたコーターユニットで塗布するもの。塗布量を多くすることができるので、OPニスに比べてツルツルの仕上がりを期待できる。
OPニスは時間が経つにつれて黄色く変色するが、水性ニス、UVニスともに黄変しにくいものが開発されている。水性ニスは熱風で乾燥させ、UVニスは紫外線をあてて硬化させる。蛍光ニスやパール(キラキラするやつです)ニスなど、種類も様々のものがある。