紙の目【かみのめ】

印刷用紙の繊維は、抄造機が進む方向に平行に配列される。抄造後のロール紙を平判用紙に断裁する際、断裁の向きによって繊維が縦に流れている用紙と、横に流れている用紙の2種類ができあがる。繊維が用紙の長辺に対して平行に流れている用紙をT目(たて目)といい、反対に短辺に対して平行に流れている用紙をY目(よこ目)という。用紙を手で裂いてみて、きれいに裂ける方向に目は流れている。

書籍などは、綴じ部分に平行に紙の目が流れている用紙を使って印刷する(目なり、順目という)。逆の目の用紙(逆目)を使って印刷すると、ページを開きにくくなり、仕上がりも波を打って美しくない。また、2つ折などのパンフレットの場合、逆目の用紙を使うと折り部分がひび割れ、白くけばだつことがある。印刷では基本的に順目の用紙を使用する。

目の表記の仕方だが、A判(625×880mm)の用紙の場合、625×880という表記はT目をあらわし、880×625という表記はY目をあらわす。印刷会社には、250枚、500枚などの単位(1丁という)で梱包されて入荷される(梱包された用紙の包みを「ワンプ」という)。梱包の長辺にラベルが貼ってあるとY目、短辺にラベルが貼ってあるとT目の用紙である。

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