総インキ量【そういんきりょう】

 オフセット印刷ではカラーをCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色のインキによる掛け合わせで表現する。

 すべてのインキを最大に掛け合わせればインキ量は400%になるが、印刷機でトラブルなく印刷できる総インキ量は300〜350%までで、できれば300%程度に抑えたい。

 というのも、インキの上にインキを重ねて行くと、総インキ量が増えて行くにつれ、後から刷ったインキがのらなくなってくる。よって、色の再現性が悪くなり、意図していた色に印刷できない現象が起きる(これを「トラッピング不良」という)。

 また、インキ量が300%を超えるあたりから、「裏付き(裏うつり)」が発生しやすくなる。インキがベッタベタのため、印刷したインキが乾燥せず、上に重ねた用紙の裏面にくっついてしまうのだ。

 ポジフィルム等で入稿していた頃は、製版オペレーターが総インキ量を理解し、製版時に調整を行っていた。現在はデータによる入稿が主流をしめるようになったので、事前にデータの確認を行い、印刷トラブルを回避する必要がある。